最近メディアでも「腸活」という言葉をよく見聞きするようになりました。
腸内細菌の研究の歴史はまだ浅く、今でこそ年間1万本以上の論文が発表されていますが、
2000年には腸内細菌に関する論文は年間1本でした。
今でも未だ解明されていない事はたくさんありますが、
急激にわかってきている事ははるかに増えています。
腸活とは食事やライフスタイルで腸内環境を整えることです。
良い腸内環境をつくる大きなポイントは2つ
一つは、腸内細菌の数が多いこと。
もう一つは、腸内細菌の種類が多いこと。
人が持つ腸内細菌の数は100兆個から1000兆個、種類は約1000種類にも及びますが
どんな種類の腸内細菌を持っているか、どのぐらいの数が腸内に棲んでいるか、
腸内細菌のパターンは誰一人として同じパターンの人はいません。
腸内環境が整うと、
・免疫力アップ
・美肌効果
・体重管理
・消化機能の改善
・精神の安定
・アレルギー症状の改善
・認知症予防 などの嬉しい変化が期待できます。
私が特に腸活を勧めたいのは
・これから出産を考えている方
・5歳位までの育児に携わっている方
・体内機能が低下してくる中年以降の方
その理由は、
自分が持つ腸内細菌の種類は3~5歳位にほぼ決まり、その後変化することは無いと言われているから。
お腹の中の無菌状態の赤ちゃんは、産道を通りながら菌とファーストコンタクトを経て菌を受け継ぎます。
だからお母さんの腸内細菌はとても重要。
そして3~5歳までに色々な種類の菌を摂り込める生活を送ると、腸内細菌の種類が増えていきます。
昨今の除菌ブームは、腸内環境を整える視点からはあまり喜ばしいことではありません。
菌を分類するための「善玉菌」「悪玉菌」という言葉がありますが、
人間と同じで、良いことだけをする菌も、悪いことだけをする菌も、存在しないので、
表現としては「主に良い働きをする菌」「主に良くない働きをする菌」というほうがしっくりきます。
悪玉菌と言われている有名な「大腸菌」も、なくてはならない大切な腸内細菌で、
大腸菌が存在するから守られている秩序もあるのです。
出産時の赤ちゃんは産道を旋回しながら出てきますが、
まさに世の中に出てくるその時、わざとお母さんの肛門に顔を向けてお母さんの大腸菌を摂り込んで出てくることが判ってきています。
主に良い働きをする腸内細菌(ビフィズス菌など)は酸素に弱く、酸素が多い場所では生きることができません。
無菌状態の赤ちゃんの腸内には酸素がたくさんあります。
大腸菌は酸素を取り込みながら増えることができるので、一気に赤ちゃんの腸内の酸素を消費して
ビフィズス菌が棲みやすい環境を整えてくれます。
その後、母乳に含まれるオリゴ糖がビフィズス菌のエサとなり、腸内にビフィズス菌が増え、
バリア機能を維持する酢酸を作り出し、免疫力を高めてくれます。
離乳食が始まり、食事から色々な菌や菌のエサを取り入れること。
たくさんの人に抱っこされたり触れ合う機会を作り、赤ちゃんの菌との接触機会を増やしてあげること。
3~5歳までに色々な種類の菌に触れる生活を心掛けると、
免疫力が高い元気な身体、強いメンタルを子どもに授けてあげられるかもしれません。
そして体の機能低下が現れてくると、それまでと同じ食生活や運動をしていても、
身体が同じように機能しなくなってきます。
特に、腸活に特化して言えば、腸の働きも鈍くなってきますので、
太りやすくなったり、肌の状態が良くないなど老化現象が気になってきます。
そこで、腸活を意識した生活を送ることで、免疫力を上げたり、老化現象を遅らせたり、
うれしい効果がいろいろ期待できます。
難しい事はしなくても、日々の暮らしの中で少し意識するだけで腸活は可能です。
続けられる腸活を、今日から始めて、自分も家族も守っていきたいですね。
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